『なぞらえ屋〜不思議底七歌〜』公演いたします。 | ||
こんにちは、主催(有)La・Moon代表 有里紅良です。 11日の大震災から一週間が過ぎようとしています。 東北・関東を襲った天災の猛威は、日を追うにつれその全貌を現しつつあります。 避難所に逃れた皆さん、ライフラインの途切れた中不自由な生活を送ってらっしゃる皆さんが、 どうか一日も早く安心して温かい生活に戻れますようにと、一同願ってやみません。 そんな中、当然公演を前にした自分たちも、色々な状況を鑑みつつ、そして、 キャスト・スタッフそれぞれの気持ちを聞きつつ、丸二日寝ないで必死に話し合いました。 いまだ余震が続く中、眠れないと不安を訴える子もいます。 気持ちが挫けかけて、出口を必死に探している子も。 正直、自分たちも一度は開催を諦め、延期しようと決めかけました。 でも、『仕方がない』と色んな事を飲み込んで、そのストレスにすっかりやられてしまっている人たちが、 あまりに多い事に、演出家の石山さんが「戦わせてください」とおっしゃいました。 『仕方がない』を、なぞらえ屋でまで飲み込んじゃ駄目だと。 なぞらえ屋は、言ってみれば、運命に戦いを挑むお話です。 駄目だと諦めている事柄をひっくり返すのが、彼らのお仕事です。 今回のお話は、そのなぞらえ屋さん自体がピンチになるお話ですが、 やはり根底には、「それでもね、それでも人は……」という気持ちが息づいています。 無理無謀と言われる大所帯の座組みで、それを表現する為にコツコツお稽古を積んできました。 もちろん、ユニットなので個人差はあります。 でも、それぞれが一生懸命、皆様に届ける為努力してきました。 延期になれば、同じ場所同じメンバーで座組みを整える事はほぼ不可能でしょう。 私事で大変申し訳ありませんが、末期癌の自分は、事によったら観る事は出来ないかもしれません。 色んな事情を考慮して、公演場所である前進座さんとも綿密に打ち合わせを繰り返し、考えて考えて、 考えた末にGOサインを出しました。 何よりも、「停電になったら、真っ暗闇の中出来る本を今から書いてください」と私におっしゃった 石山さんのお客様への熱意は本物です。 そして、病床の患者扱いではなく、戦う仲間としてそれを私に提案してくれる気持ちが嬉しかった。 一歩間違えば、それで命を落とすかもしれないけれど、クリエイターとしては本望ではありませんか(笑)。 そして、稽古場に行って役者さんたちに意見を求めると「役者ですからね、板の上で死ぬのは全然本望なんですがね、 お客様の安全が第一です。それさえ守れれば、いくらでも」と千葉さん。もう、惚れます。 エンターティナーのお仕事を選んだ人たちが、未曾有のピンチの中答えを求めて目に涙を溜めています。 なので、自分は旗を掲げて前に進むことにしました。 自粛だ不謹慎だとおっしゃるみなさんもいらっしゃることでしょう。 でも、自分たちは、『仕方がない』と諦めている空気と自分自身の絶望と戦って前に進みたいと思いました。 何が起こるかわからないのは、本当はいつだって同じです。 主催としてやれるだけの準備をし、小屋と連携して、お客様への配慮に全力を注ぎます。 それでも、不安でいらっしゃりたくない方は、払い戻しもお受けいたしますので、ご案内をお待ちください。 逆に、それじゃあ行ってみようと興味を持ってくださる方もいらっしゃるかと思います。 地震や原発や様々なストレスと、本気で喧嘩をしようとしてるのですから。 でも、そこでは必ず『非日常』をお約束します。 La・Moonが命懸けで作る空間魔法を、演出家石山英憲以下41人の演者と30人以上のスタッフが 全霊で戦う姿を見届けに来てやって下さい。 先頭に立つにはあまりによたよたで心許ない代表ですが、旗を掲げ叫びました。 「大丈夫、最後までみんなで行こう!! 必ずお客様に届けよう!! 希望と勇気、そして奇跡は傍らに!!」 停電の影響などで、開催・開演時間に若干変更が出る可能性がありますが、 『なぞらえ屋〜不思議底七歌〜』は公演決定です。 ご来場の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 |
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La・Moon代表 有里紅良 |
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