『なぞらえ屋』
〜奇巡四谷怪談〜
Story〜あらすじ〜
因果は巡る糸車――……。
人の世に強く残る多くの『物語』は、伝承、口伝、あらゆるメディアを通してこの世に深い轍(わだち)を刻む。
神代の古から綿々と存在するその轍(わだち)は目には見えないが、強い呪力を孕んで、誰の足下にも広がっているもの。
そして、たいていの人間は気付かずに、その轍(わだち)に嵌まって、まんまと同じ道を辿ってしまう。
先人の失敗を繰り返すことを、「二の轍(てつ)を踏む」と言うでしょう。
それが「なぞらえ」。轍(てつ)の縛り。
縦横無尽に走る轍(てつ)を読み、なぞらえの力を使って事件を解決する……。
『なぞらえ屋』と呼ばれる面々が出入りするここは 古書骨董・坂東。
歌舞伎町の喧騒の中にひっそり佇む骨董屋に持ち込まれた一つの依頼――……それは。
死んだはずの姉 あいが、醜く崩れた姿で現れ次々と怪異を起こし周囲の人間は変死してゆくのだと言う。
どうか姉を成仏させてあげて下さいと震え青ざめた面持ちで訴える依頼人 あき。
江戸時代、大勢の民衆に『恐れ』と刻まれた轍
『東海道四谷怪談』。
その轍(てつ)に嵌まった依頼人を救うためのなぞらえとは――……?
様々な謎が錯綜するこの怪事件になぞらえ屋が挑む――!